カリン・ピサリコヴァ 個展 ”もくてき”

展示会期2016年05月16日[月]〜05月28日[土]
開廊時間12:00―19:00(最終日のみ17:00まで、日曜祝日休廊)
展示作家カリン・ピサリコヴァ

“Putting a façade over concrete floor, they reformed our apartment lately. Dark walnut screams 2016, while white oak looks, oh so dated….”
My long-term project is concerned with our place in the world. Previously, I positioned the human body into the nature – longing to escape but eternally connected to mother earth. Yet we still try to control and conquer nature, sometimes by covering it and painting over a prettier image. It had me wondering – will our children know the difference between what is genuine and what is an imitation – or is the imitation already part of hyperreality? Where is the „honne“ behind this „tatemae“ – The juxtaposition of natural and artificial, living together. But in great harmony? How much is the human body still the wild, organic part?
There is a great respects and emphasis on things natural in Japan. Nature is praised for its calming effect and maybe because of that, we will find wooden railing, flooring, faux wooden furniture, appliances, phone covers, steam diffusers, cushions, fireplaces with fake burning wood and even shower curtains, all come in wood plank design, but no one expects to catch a splinter.
Exhibition „Mokuteki“ is inquiring into fiction and reality, using the mimircy of flooring, to blend the human body in a concrete apartement block.

“コンクリートの床の表面を覆う、その素材で、最近、私たちのアパートがリフォームされた。ダーク・ウォールナッツ調の2016年版、全体が白いオーク調のものも、ああ、なんて時代遅れな感じだろう…”

私のこの長期にわたるプロジェクトは、世界の中での私たちの居場所と関係している。おそらく、私は人間の身体を、逃れることを切望しつつも自然の中に位置づけている。しかしそれは、永遠に母なる大地に繋がっている。私たちは未だ、自然をコントロールしたり制服しようとしているが、時に、もっと素敵な印象をそこに覆い被せたり、それを塗り替えたりする。それは、私に疑問を抱かせた。はたして子供達には、何が本物で何が造り物なのかの違いがわかるだろうか?このような造り物はすでにハイパーリアリズムの一部になっているのだろうか?“建前”のうしろにある“本音”はどこにあるのだろう?自然物と人工物の寄せ集めで、いっしょに共存している。しかし、それはすばらしい調和なのだろうか?人間の身体にも、どの程度の野生が宿り、本当に有機的な部分と言えるのだろうか?

日本には、大いなる自然への畏敬の念と尊重がある。自然はその癒しの効果を賞賛され、そのために私たちはよく目にするはずだ。木製の手すりや床、偽物の木製の家具や、電気製品、電話のカバー、加湿器、クッション、偽物の薪のくべてある暖炉やシャワーカーテンにまでも、木目調のデザインが施されているが、だれも棘が刺さるとは思っていない。

展覧会“もくてき”では、フィクションと現実とに疑問を投げかけ、床のフローリングの擬態をまねて、人間の身体をアパートのコンクリートの固まりに融合させた作品を制作した。

Karin Pisarikova was born in Brno, Czech Republic in 1981. Her works are mostly inspired by life, human relations and everyday rituals, but the main topics can be summed up into existential questions – Who are we, what is our purpose and where are we heading. She works predominantly in the medium of installation, but includes performance, video and photography. Her material of choice is human hair, for its ambiguity and connection to the body. Pisarikova studied in the atelier of Body Art at FaVU-VUT in Brno and completed her PhD. at Tama Art University, Tokyo in 2015. She has had solo shows in Tokyo, Osaka, Nagano and Brno and participated in several art residencies in Japan and in Europe. Karin Pisarikova is currently teaching in Joshibi University of Art and Design and continues to live and work in Tokyo.

カリン・ピサリコヴァは、1981年、チェコのブルノに生まれる。
彼女の作品は主に、生命や人間の関係性、日々の習慣などに影響を受けている。しかし最も中心となる主題は、更に拡張的な問い“私たちは誰か?何が目的か?どこに向かうのか?”に集約されるだろう。
彼女は主にインスタレーションを表現方法としているが、パフォーマンスや動画や写真での表現も含んでいる。彼女の素材に人毛を選ぶこともあり、その身体への繋がりや曖昧さが要素となっている。
ピサリコヴァは、ブルノ工科大学美術学部のボディーデザイン科で学び、2015年に多摩美術大学で博士課程を修了した。阿佐ヶ谷美術専門学校とブルノ工科大学美術学部との交換留学生として2008年に日本を初めて訪れた。これまでに東京や大阪、名古屋やブルノや個展を開催し、日本とヨーロッパでいくつかのアート・レジデンスに参加した。カリン・ピサリコヴァは、現在、女子美術大学で教鞭をとり、東京在住で制作を続けている。

テキスト訳:馬場 恵

カリン・ピサリコヴァ Karin Pisarikova

Profile
1982年ブルノ市出身
チェコ共和国、ブルノ大学ボディーデザイン科を卒業し、現在同大学芸術学部の博士課程に在籍中。
写真、ビデオ、パフォーマンス、観客参加型アートなどを中心に活動している。
作品はTanecni revue, Atelier, Art & Antiques等の雑誌に紹介される。
Fleda musicclub,チェコデザインセンター、Skolka28ギャラリーでのパフォーマンスフェスティバル、エジンバラ演劇祭、マルチプレース国際フェスティバルでパフォーマンスを行う。
マサリク大学、Umakartギャラリーにて個展。プラハデザインセンター、プラハUMPRUMギャラリーにてグループ展。
イタリア(ミラノ、トリノ)、スロヴェニア(リュブリアナ)、ドイツ(カッセル)で奨学金を得る。

OfficialWebsite:KARIN PISARIKOVA OfficialWebsite

Vision’s Exhibitions
2008年 KARIN PISARIKOVA EXHIBITION -BLACK SEA, BROWN PEARLS-

2009年 アフターシェイブ
2016年 カリン・ピサリコヴァ 個展 ”もくてき”

ACCESS

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〒103-0012東京都中央区日本橋堀留町2-2-9ASビル1F

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開廊時間:12:00〜19:00
休廊日:日曜祝祭日休廊
*開廊時間・休廊日は展示によって変更あり

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