Straight no chaser 展(1st.)

展示会期2004年01月20日[火]〜01月31日[土]
開廊時間12:00―19:00(最終日のみ17:00まで、日曜祝日休廊)
展示作家伊藤 誠/菊池敏直/佐川晃司

Straight no chaserのために  松浦寿夫

Straight no chaser、つまり強い酒をストレートで、しかもいかなるチェイサーもなしに。この美しい題名をかかげたセロニアス・モンクの代表作は、たとえば、「ウィスキーを水でわるように/言葉を意味でわるわけにいかない」という田村隆一の詩集『言葉のない世界』の最後の二行を喚起させるかもしれない。
 いずれにせよ、モダン・ジャズの領域に決定的な形式定期特異性を導入しえたモンクのひそみにならない、あえて今回その作品の題名を借り受けてみた事に理由がないわけではない。
 それは、われわれが「迂回のパッサージュ」展以後ほぼ20年ぶりに一同に会してみたのも、もはやかつてのように、つまりストレートに提示されるものだけが、われわれを異なった領域へと導いてくれるかもしれないと思えてならないからだ。
 例えばモンクのとあるコンピレーション版に付された解説に「60年代をとおしてモンクは同じ曲を何度となく演奏する事を非難された」が、彼の作品が「そのテクスチュアーにおける類似性にもかかわらず、ひとつとして同じ曲に聞こえるものがない」という記述を見いだすことができる。そして、この何げない一節は、モンクの作品が発揮してやまない特異性の所在をごく端的に示している。

伊藤誠 Makoto ITO

Profile
1955 愛知県生まれ
1983 武蔵野美術大学大学院造形研究科修了
1993 ACCの助成金にて、トライアングルアーティストワークショップに参加
1996-97 文化庁派遣芸術家在外研修(アイルランド)

Solo Exhibitions
1989 91,94,99,02 島田画廊(東京)
1992 95,98,99,02 双ギャラリー(東京)
1993 98,03 村松画廊(東京)

Group Exhibitions
1984 「迂回のパッサージュ」淡路町画廊(東京)
1985 「山が津の現代美術Ⅲ」「迂回のパッサージュⅡ」山口県立美術館(山口)
1992 「現代美術への視点・形象のはざまに」東京国立近代美術館(東京)、国立国際美術館(大阪)
1995 現代美術の場と空間「やわらかく、重く」埼玉県立近代美術館(埼玉)
「視ることのアレゴリー、1995 絵画彫刻の現在」セゾン美術館(東京)
2000 越後妻有アートトリエンナーレ 2000(新潟)
「ART TODAY 2000-3つの回顧から」セゾン現代美術館(長野)
2001 「ヴァイブレーション/結びあう知覚」宇都宮美術館(栃木)
他多数

Vision’s Exhibitions
2004年 Straight no chaser展(1st.)

菊池敏直 Toshinao KIKUTHI

Profile
1953 東京生まれ
1979 東京芸術大学絵画科油画卒業
1986-87 シュットゥットガルド造形芸術大学留学(L.シャフラー教室/ドイツ)

Solo Exhibitions
1979- 藍画廊で初個展(東京) 以降コバヤシ画廊、ギャラリー21+葉、文房堂ギャラリー
他多数。

Group Exhibitions
1989 「三人展」ギャラリーインデコ(ソウル)
1994 フィールドワークイン藤野(藤野町、神奈川県/98,02参加)
1995 「視ることのアレゴリー」セゾン美術館(東京)
1997 「庭園の会話」文房堂ギャラリー(東京)
2000 クンストフェアラインアルスドルフ(アルスドルフ市庁舎、ドイツ)
他多数。

Vision’s Exhibitions
2004年 Straight no chaser展(1st.)

佐川晃司 Kouji SAGAWA

Profile
1955 福井県生まれ
1985 東京芸術大学美術研究科博士後期課程満期退学
現在京都精華大学芸術学部諸教授

Solo Exhibitions
1980 「南北の森」真和画廊(東京)
1982 「森の低温・肉の北色」田村画廊・銀座絵画館(東京)
1989 「Oil Painting」ギャラリー16(京都)
1990 〈さまざまな眼-23〉かわさき IBM 市民ギャラリー(神奈川)
1991 石屋町ギャラリー(京都)
1999 真木・田村画廊(東京)
2002 ギャラリー16(京都)
2003 Oギャラリーeyes(大阪)

Group Exhibitions
1992 「近作展—10」国立国際美術館(大阪)
現代美術への視点—「形象のはざまに」東京国立近代美術館(東京)
1994 「VOCA展 ’94」上野の森美術館(東京)
1995 水戸アニュマル ’95 「絵画考—器と物差し」水戸芸術館(茨城)
2002 〈さまざまな眼—125 佐川晃司・村岡三郎〉川崎 IBM 市民文化ギャラリー(神奈川)
他多数。

Vision’s Exhibitions
2004年 Straight no chaser展(1st.)

ACCESS

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〒103-0012東京都中央区日本橋堀留町2-2-9ASビル1F

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03-3808-1873/ お問い合わせ
開廊時間:12:00〜19:00
休廊日:日曜祝祭日休廊
*開廊時間・休廊日は展示によって変更あり

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